【日本場面緘黙研究会】のニューズレターにて、東京都の公立中学生を対象とした「東京都英語スピーキングテスト E-SATJ」について、場面緘黙のある受験者への合理的配慮という観点から問題提起を行いました。
場面緘黙のある子どもにとって、試験や評価の場面は、日常以上に大きな負担がかかることがあります。特に、入試に関わるような公的試験では、本人の努力だけではどうにもならない制度上の壁が生じることもあります。今回の寄稿は、そうした課題を見過ごさず、必要な配慮について社会の側にも考えてもらうための発信のひとつでした。
【日本場面緘黙研究会】とは
【日本場面緘黙研究会】は、場面緘黙について研究し、理解啓発や支援のあり方を考えるための研究会です。当事者や家族、支援者、研究者など、さまざまな立場の人が関わり、機関誌やニューズレターの発行、シンポジウムなどの活動を行っています。
【静岡 場面かんもくの会】としては、地域での活動を大切にしながらも、こうした外部の学びや発信の場とつながることに大きな意味があると考えています。
掲載の概要
掲載は2023年3月、【日本場面緘黙研究会】のニューズレターにて行われました。きっかけは、親の会のつながりの中で【かんもくネット】の角田さんより寄稿の依頼を受けたことでした。
今回取り上げたのは、東京都の公立中学生を対象に実施された「東京都英語スピーキングテスト E-SATJ」です。受験という大きな節目に関わる制度でありながら、場面緘黙のある生徒にとっては、一般的な試験以上に配慮の必要性が高いと感じていました。
問題提起した内容
掲載文では、「東京都英語スピーキングテスト E-SATJ」が外部委託型の試験であり、通常の入学試験のように個々の障害や特性に応じた柔軟な合理的配慮が難しい構造になっていることを取り上げました。
文章の中では、
- 試験結果が高校入試に加点される制度であること
- 外部委託型の試験であるため、通常の入学試験のような個別の合理的配慮が難しいこと
- あらかじめ設定された「特別措置」だけでは十分とはいえない可能性があること
- 場面緘黙のある受験者への配慮を考えていく必要があること
などを整理しました。
場面緘黙のある子どもにとって、試験や評価の場面は、普段以上に困難が大きくなりやすい場面です。
だからこそ、「受けられるかどうか」だけでなく、「不利になりすぎない形で受けられるか」という視点が重要だと感じています。その視点が制度の中にどこまで組み込まれているのかを、あらためて問い直す必要があると考えました。
この発信に込めた思い
地域で親の会の活動をしていると、普段は学校生活や家庭での困りごとに目が向きがちです。しかし、子どもたちが成長するにつれて、受験や進学といった制度の壁にも直面します。
場面緘黙は、教室の中の困りごとだけではなく、その先の進路選択や評価の場面にも影響していきます。だからこそ、地域の支え合いだけでなく、制度の側に必要な配慮を求めていく視点も大切だと感じています。
今回の寄稿は、そうした思いを外に向けて言葉にする機会となりました。小さな会であっても、必要な問題提起を続けることには意味があると考えています。
【静岡 場面かんもくの会】として
【静岡 場面かんもくの会】では、日々の交流や情報共有だけでなく、子どもたちを取り巻く環境や制度の課題にも目を向けていきたいと考えています。
本人やご家族が努力だけで乗り越えることを求められるのではなく、周囲や仕組みの側が整っていくことも必要です。そのために、地域での活動を土台にしながら、必要な発信を少しずつ重ねていきたいと思います。
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